2011年8月14日(日)



2011年8月14日(日)日本経済新聞 アーカイブ
1971年8月15日 ニクソン・ショック
(記事) 

 

 

 

 

 

 

【コメント】
金とドルの交換を停止したというのは、アメリカは金とドルを交換したくてもできなくなった、ということです。
この背景について少しだけ説明しますと、
貿易黒字によってドル通貨を得た日本その他の国はアメリカに対しドル通貨を金と交換するように求めます。
アメリカは当時、金1オンス=35ドルという交換比率でもって金とドルを交換する義務を負っていました。
以前はアメリカはドル通貨を受け入れて金を提供していましたが、貿易赤字続きでドル通貨が海外へ流出し続けました。
ドル通貨を得た日本その他の国はドル通貨を金と交換するように求めますから、これは結局金が海外へ流出し続けることと同じです。
この状態が何年も続き、アメリカ政府の持つ金は枯渇してしまい、ついにアメリカは金とドルを交換できなくなったのです。
これが金とドルの交換停止の背景です。


現在では、貿易によってドル通貨を得た場合、一部は円転しますが、それ以外はそのままドル通貨として持っておくことが多いでしょう。
それは現在では(なぜかは分かりませんが)ドル通貨そのものに価値があると見なしているからです。
以前はそうではありませんでした。ドル通貨をドル通貨として持っておかずに、本来的に価値がある金に交換していたのです。

 

 

 



最近、ドル通貨はもうダメだとかアメリカはもう終わっているとよく聞きますが、
実は1971年からドル通貨やアメリカはおかしくなり始めていたのでしょう。
通貨というのは本来(人間社会に通貨と呼ばれるものが誕生した時という意味です)、金もしくは銀の裏づけがあるものです。
金や銀の裏づけがあるからこそ、”ただの紙切れ”を価値あるものとみなすことができたのです。
そもそもの話をすれば、金や銀の裏づけがない通貨というものは、”ただの紙切れ”と言われても文句は言えないのです。
金や銀の裏づけが当然のごとくあるもの、それが通貨です。
にもかかわらず、金とドルの交換を停止するというのですから、ドルには金の裏づけはないと宣言しているも同然です。
ドルと金の交換停止の報道を初めて聞いたとき、人々の衝撃は実は本当に凄まじいものがあったと思います。
ドルと金の交換を停止するというのなら、ではドルという通貨とは一体何なのか、という疑問が当時の人々の間にはあったでしょう。
ドル紙幣を相手に見せても、それはただの紙切れだよ、そういわれても文句は言えません。
ただ、ドルを金に交換するということをそれぞれの国の一般国民は普段は行いませんから、誰もが狐にほっぺたつままれたまま、
ただ何となくドルをそのまま使い続けているというだけなのです。そして誰もが狐にほっぺたつままれたまま今に至るのです。
王様は裸だ、そう誰もが言うことなく。
ドルという通貨は人類史上初めての基軸通貨であると同時に、人類史上初めての金や銀の裏づけがない通貨となりました。
通貨から金の裏づけをなくすという絶対にあり得ないことが1971年8月15日に起こりました。


考えてみると あの頃からアメリカの経済は違ってた

 

 

 

 


以下、アメリカに替わる国家が仮にあるとすればやはり中国かなと思いますので中国に関する記事を紹介します。
世界の標準語が英語で基軸通貨がドルであることは変わらないかもしれませんが。

 

 



2011年6月28日(火)日本経済新聞
中国共産党 90年目の岐路 上
偏る富 理念裏腹 既得権や腐敗 成長持続阻む
課税最低限上げ 結局「小幅」 中国が最終案 納税者の不満高まる
(記事)




2011年6月29日(水)日本経済新聞
中国共産党 90年目の岐路 中
大国意識 静かに台頭 経済発展の足かせに
(記事)



2011年6月30日(木)日本経済新聞
中国共産党 90年目の岐路 下
逆走する「国退民進」 国有企業に資金流入
(記事)




 

【コメント】
仮に中国にアキレス腱があるとすれば、それは政治体制かもしれません。
経済面は上手いこと資本主義を取り入れて成長を遂げていますが、政治面はどのように変わっていくのでしょうか。
それとも、アメリカでも日本でもそうであるように、選挙や政党や国家元首はあまり国家の成長とは関係がないのでしょうか。

 

 

 


2011年8月3日(水)日本経済新聞
50年まで中印成長順調なら・・・世界GDP、アジアが52% アジア開銀報告書
中国20% インド16% 日本3% 内需の取り込みカギ
黒田ADB総裁に聞く 円、対アジアでも高すぎ 域内成長へ中間層厚く
(記事)



 


 

【コメント】
2050年の予測をせよと言われても私には全くできませんが、
アジア開発銀行の報告書が正しいとすれば、2050年には世界のGDPの順位は、
一位中国、二位インド、三位アメリカ、とのことです。

2020年ころになるのか2030年ころになるのかは分かりませんが、中国がアメリカを追い抜く日がやがて来るでしょう。
その日もまた、人類にとって大きな記念日になるのでしょう。

 


 


2011年7月1日(金)日本経済新聞
日産 新興国に挑む 上
戦略車は2つのマーチ 「40万円」実現へM&A
(記事)



 


2011年7月2日(土)日本経済新聞
日産 新興国に挑む 下
EVをブランド先兵に 「利益率8%」成否握る
(記事)

 

 

 

【コメント】
記事の内容は少しおかしな点もあるような気がしますが、日本企業の中で中国で一番成功しているのは
日産であるように思いますので紹介します。

5年先10年先を見ますと、中国を制す者は世界を制す、と言えるのかも知れません。