2011年7月22日(金)
今年1月に中国の投資ファンドと共同で関西国際空港を拠点としたLCC(格安航空会社)「ピーチ・アビエーション」を
立ち上げたばかりの全日本空輸(ANA)が、新たに成田空港を拠点とする別のLCCを設立する。
提携相手は、アジア最強のLCC・エアアジア(マレーシア)。新会社の社名は「エアアジア・ジャパン」となるが、
50億円の資本金は折半する。
ただし、日本の航空法では外資の出資比率を3分の1未満に抑えることとなっているため、議決権はANAが67%を握り、
エアアジアは33%。エアアジアは残りを、議決権のない優先株として保有する。
新会社の設立は8月中、そして来年8月には就航開始を目標とする。路線などは未定だが、国内線・国際線ともに運航する予定だ。
関係者によると「アジアのみならず、オセアニアやハワイなど、中距離路線も視野に入れている」という。
価格は、通常のエアラインの3分の1から4分の1程度となる見込みだ。
エアアジアとの話し合いは、じつは3年以上前から始まっていた。故・山元峯生前社長時代から、
LCC到来に危機感を持っていたのだ。エアアジア側としても、発着枠がタイトな日本では、
提携によってANAの発着枠を使えるというメリットがある。
ピーチと違い、今回の提携相手はLCCの雄。ノウハウはふんだんに持っている。将来的には売上高2000億円超、
営業利益率12%超を見込むなど、鼻息は荒い。JALもLCC設立を検討しており今後、
急速にLCCが航空業界のメインキャストに躍り出ることになりそうだ。
(ダイヤモンドオンライン 2011年7月22日)
ttp://diamond.jp/articles/-/13269
2011年7月22日(金)日本経済新聞
全日空、エアアジアとLCC 設立を発表 「初年度 黒字狙う」
(記事)
【コメント】
LCCは全日空だけで2つ目になるわけですが。
そもそもそんなに航空客っているのだろうか、という疑問があるのですが。
いくら価格を下げるとはいえ、潜在顧客数自体に限りがあるわけです。
新規顧客開拓にも限界があるような気がします。
それに、LCCというのは国際線の場合でも東南アジアの国同士のように近距離が基本でしょう。
長距離になると、どうしても格安ではないワンランク上のサービスが欲しくなります。
座席もゆったりしていて飲み物や食事なども少し豪華で空での移動そのものを楽しみたくなります。
率直に言えば、LCCの国際線は東南アジアなどのように国同士が地理的に離れていない場合に可能なのです。
周りを海に囲まれ地理的に近距離の国が少ない日本にはLCC国際線は不向きだとさえ言えます。
近距離であれば飛行時間も短いためサービスが悪くても移動できさえすればいいのですが、
遠距離になりますと飛行時間が長いわけですから多少料金を支払ってでも快適な飛行を望みたくなります。
他の国への地理的な距離が遠い日本では、LCC国際線はあまり成功しないかもしれません。
(国内であれば成功するでしょう、スカイマークのように。LCCでの飛行時間は1時間30分が限界か。)