2011年7月12日(火)
[東京 12日 ロイター] 日銀の白川方明総裁は12日午後の金融政策決定会合後の会見で、欧州財政問題の
日本への教訓を問われ、国内金融市場で低金利がいつまでも続く保証はなく、早期の財政健全化が急務との主張を改めて強調した。
低金利が続くなか、政局混乱で財政健全化への機運がしぼみつつある政府に対して、「喝」を入れた格好だ。
記者会見で白川方明総裁は、ギリシャをはじめとする欧州周辺国の財政問題の日本への教訓として、
1)財政への信認が維持されていないと2009年秋以降のギリシャの国債のように、
市場の信認が突然非連続的に変化する可能性がある、
2)財政の持続可能性に対する信認が低下し金融市場が動揺すると実体経済も下押しされ、
財政・金融システム・実体経済の間で負の相乗作用が生じる、
3)その場合財政緊縮が急激で激しいものになってしまう
──との3点を挙げた。
一方で、現在の日本では国債の金利が低位で安定している背景として、
1)財政改善の取り組みが進められるはずと受け止められている、
2)金利はこれまで安定してきたからこれからも安定していると市場が漠然と予想している
──との2つの解釈を示した。
【コメント】
特にコメントはありませんが、日本の将来のことを考えると、財政健全化は金科玉条にすべきだと思います。
東芝、フラッシュメモリーで世界一狙う=佐々木社長
[四日市 12日 ロイター] 東芝は12日、主力製品のNAND型フラッシュメモリーを生産する
四日市工場(三重県四日市市)の新棟(第5製造棟)が今月から量産を開始し、8月から出荷すると発表した。
同社の佐々木則夫社長は記者団に対し、足元で僅差で世界シェア2位につけるフラッシュメモリーについて
「早くシェア一番になりたい」と述べ、競合するサムスン電子追撃に意欲を示した。
米調査会社米アイサプライによると、2011年1─3月期におけるNAND型フラッシュメモリーの世界シェア(金額ベース)は
韓国サムスン電子が35.8%で首位だが、東芝は同35.6%と僅差で2位につける。前年同期のシェアはサムスン38.5%、
東芝33.8%と現在よりも開きがあった。佐々木社長は、従来に比べ世界トップの可能性が高まったかどうかについは
「そうだ」と語り、手応えを示した。ただ、佐々木社長は「シェアばかり追いかけると価格が下落する。
単価も含めてビジネスのバランスを取っていきたい」とも語り、慎重にサムスン追撃を続ける考えを強調した。
サムスンと東芝のシェア格差縮小は、フラッシュメモリーの大口ユーザーである米アップルとサムスンの間で、
スマートフォンやタブレット端末の特許侵害問題をめぐり争いが激化していることが背景、との見方もある。
しかし、成毛康雄執行役常務は記者会見で「そうした影響はまだ出ていない。これから影響が出るか出ないかわからない」
と述べるにとどめた。足元ではスマートフォンやタブレットなどNANDフラッシュメモリーを搭載するデジタル機器の需要が
弱含みとなっているとの見方もあるが、成毛常務は「足元では、デジタル機器全体では少し落ちている。タブレット端末は各社が
意気込んで発売したが、ふたを開けたら、ある会社(アップル)だけが売れている。ただ、クリスマス商戦に向けて市況は
回復するだろうとみている」と語った。
12日に竣工式を行った第5製造棟では当初24ナノ(1ナノは10億分の1)メートルの微細加工技術を用いて生産を始め、
19ナノなどの最先端プロセスに順次移行する。第5製造棟は2期に分かれて建設され、今回は1期分が完成した。
1期分の建屋の隣接地に建設予定の2期分の建屋は2013年度の完成を想定。この2期では、現在のNANDフラッシュメモリーの
後継となる「ポストNAND」の量産も視野に入れている。
平面のセルを加工する現行の微細加工技術は限界に近づいていると指摘されおり、ポストNANDはセルを縦方向に積み上げる
次世代メモリー。成毛常務はポストNANDへの移行が本格化する時期について
「第5棟のフェーズ2(第2期)が建った後にはポストNANDが始まっていると想像する」と述べた。
<電力問題、政府に解決要望>
佐々木社長は、電力不足や電力料金の今後の上昇懸念が半導体事業に与える懸念について
「韓国は日本の40%ぐらいの電気代でやっている。今後も微細化など技術でカバーしていくが、
全体的にハンディを持った状態ではなく、対等な状態で競争していきたい。長期的な対応は政治の役割。
混乱のない形で解決していただきたい」と指摘した。
(ロイター 2011年
07月 12日 18:29
JST)
ttp://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-22156920110712
半導体技術についてはそれほど詳しいわけではありませんが、
メモリそのものが科学技術の限界に近づいてきているのかもしれません。
メモリの性能に差がなってきてしまい、どうしても価格競争に陥りやすくなっているのかもしれません。
記事には、スマートフォンやタブレットなどの需要が落ち込んできていると書かれていますが、
同時に、メモリは実は始めから供給過剰という見方もあるのかもしれません。
ハードディスク事業同様に、メモリ事業も経営が非常に難しいと思います。
それと、記事の内容とは関係ありませんが、この記事は「四日市発」となっています。
四日市発というのは初めて見たような気がします。
日本であれば東京発がほとんどのような気がしますし、世界各国のニュースでも大抵その国の首都発が多いような印象です。
四日市と言いますと、大都市でもありませんし、県庁所在地でもありません。
四日市発というのは珍しいなと思いました。
まあロイターは地方のニュースはあまり配信されていませんから、
日本のニュースだとほとんど全て東京発になるというだけなのかもしれませんが。