2011年7月3日(日)


米ジンガ、IPOを申請

米ソーシャルゲーム最大手ジンガは1日、10億ドル(約800億円)の新規株式公開(IPO)に向けて書類申請した。
これで同社の財務状況が明らかとなるとともに、ソーシャルメディア企業株に投資家がどれだけ興味を示すか、
最新の傾向が明らかになる。
 同社は、フェースブックのゲームで知られ、農場経営ゲーム「ファームビル」や都市開発ゲーム「シティービル」、
マフィア育成ゲーム「マフィアウォーズ」などが有名。提出書類によると、昨年の純利益は9050万ドル、
売上高は5億9750万ドルだった。大半の収入はゲーム内グッズの売上と広告収入。
 ジンガが証券取引委員会(SEC)に提出した書類では、IPOの金額を10億ドルとしているが、
この価格は申請手数料の計算に使うための名目上の金額で、実際にIPOで調達できる金額は大きく異なる可能性がある。
(ウォール・ストリート・ジャーナル 2011年 7月 2日  7:55 JST)
ttp://jp.wsj.com/Finance-Markets/Stock-Markets/node_257975

 

 

 


【コメント】
私がこの手の話にコメントする時はいつも内容は決まっています。
私が何を言いたいか既に察しはついているでしょうが。
まああまり水を差すのもあれですから少しだけコメントします。


>提出書類によると、昨年の純利益は9050万ドル、売上高は5億9750万ドルだった。

とのことですが、この数字も本当なのかな、という気がします。
一応この数字は有価証券届出書に記載された数字であり、監査法人の会計監査を受けていますので、
本来なら当然正しい数字のはずですが。

本来なら当然正しい数字のはず。しかしそれが正しくない場合もあるのかなという気がします。
単純に嘘の場合もあれば、売上高を前倒しで計上しているとか費用計上を先送りしているというケースもあります。


>ジンガが証券取引委員会(SEC)に提出した書類では、IPOの金額を10億ドルとしているが、
>この価格は申請手数料の計算に使うための名目上の金額で、

アメリカの証券市場の制度については詳しくありませんが、新規株式公開の規模(金額)によって
証券取引所への申請手数料が変わってくるということはあるのでしょうか。
何かの金額が多い少ないで支払う手数料が変わってくるというと、例えば、商業登記の際には資本金の額の大小で
登記申請の際の手数料は大きく変わります。
しかし、新規株式公開の際に証券取引所へ支払う申請手数料は一定ではないかという気がします。
新規株式公開の際に規模によって何かの手数料が変わってくるとしたら、
まず第一に、会計監査を行う監査法人への監査報酬が会社の規模によって変わってくるでしょう。
単純に会社の規模が大きければ大きいほど監査の作業が増えますので料金も高くなります。
第二に、主幹事証券会社への株式取り扱い手数料が株式売出しの規模によって大きく変わってくるでしょう。
これも単純に売り出される株式の規模(≒売買価格×取引株式数)が大きいほど、主幹事証券会社の受け取り手数料は増えるでしょう。
監査法人への監査報酬や主幹事証券会社への株式取り扱い手数料は規模によって大きく変わりますが、
証券取引所への上場申請手数料は規模は関係なく一定だと思います。