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2011年6月25日(土)
【ロンドン】欧州各国首脳は欧州中央銀行(ECB)の次期総裁に、ドラギ・イタリア中央銀行総裁(63)を
正式指名した。同地域の債務危機対応がヤマ場を迎える中、総裁選出に関連する問題を巡る域内調整で
その遅れが懸念されていたが、今回の正式承認は市場の安定化に寄与することになろう。
ドラギ氏のECB総裁指名について欧州各国は既に同意していたが、フランスがECB理事6人のうち
現在イタリアのビーニ・スマギ氏が務める理事ポストをフランスに譲ることを求めたため、総裁選出手続きも
手詰まりの状態が続いてた。フランスはドラギ氏の総裁就任支持を長らく表明してきたものの、
スマギ氏が理事を続ければECB理事会でのイタリアのポスト数が2、フランスはゼロとなり、
この状況は受け入れられないとしていた。だが、一国の政府の意向でECB理事を8年の任期終了前に
退任させることはできない上、ビーニ・スマギ氏も理事辞任の意向はないとしていたため、イタリア政府は
同氏に代わりの魅力的なポジションを国内で提供すべく奔走してきた。
事情筋によると、ビーニ・スマギ氏が電話でサルコジ仏大統領とファンロンパイ欧州連合(EU)大統領に対し、
イタリア政府が解決策を提供し、年末までには理事を退任することを約束し、事態が打開されたという。
欧州閣僚の一人は、ビーニ・スマギ氏が電話で「年末までに退任することを確約した」という。
ビーニ・スマギ氏のポストをめぐるフランスとイタリアの確執は、ECBには政治介入しないとの欧州各国の
従来の取り決めを脅かすものだった。任期終了間近のトリシェ総裁を含む一部ECB理事はこの数週間、
各国政府はECB理事に対して圧力をかけるべきではないとしてスマギ氏を擁護してきた。
ドイツのメルケル首相は24日、ECBの独立性を各国政府が覆そうとしているとの主張を退け、
「(中央銀行としての)任務遂行に関するECBの独立性は完全に守られていると考える」と報道陣に述べた。
ビーニ・スマギ氏の理事退任後のポストはまだ不明だ。空席となるイタリア中銀総裁ポストはその一つの候補だが、
ベルルスコーニ伊首相はスマギ氏は適任だが、別の二人の候補も適任者であると述べた。
ECBは、ユーロ圏17カ国が直面する債務危機対応で、中心的な役割を果たしてきた。
経済学教授と世界銀行役員を歴任してきたドラギ氏は、11月1日にECB総裁に就任、インフレと金利政策双方で
トリシェ総裁のタカ派路線を引き継ぐものとみられている。
(ウォールストリートジャーナル 2011年 6月 25日 9:19
JST)
ttp://jp.wsj.com/Economy/Global-Economy/node_254134
【コメント】
欧州中央銀行のマリオ・ドラギ新総裁はイタリア出身とのことです。
マリオ・ドラギ氏が好きなブランドはやはりプラダなのでしょうか。
好きな自動車はやはりフェラーリでしょうか。
フィアットはダメでしょう。
マリオ・ドラギ氏のニックネームは
ドラちゃんでしょうか、それとも、
スーパーマリオブラザーズでしょうか。
それとも中央銀行の種馬とかでしょうか。
最後は冗談ですが。
「日本のコーポレートファイナンス」 小堀一英 中島健二 大野薫 著 (社団法人金融財政事情研究会)
第三章 日本の金融市場
株式市場
株式公開
証券取引所改革
(136ページ)
(137ページ)
(138ページ)
(139ページ)
(140ページ)
昨日プラダ社の上場に際し株式市場や店頭市場について書きましたので、補足の資料をスキャンして紹介します。
日本の株式市場に関するスタンダードな説明になっていると思います。2点だけ指摘したいと思います。
まず、現在東京証券取引所と大阪証券取引所の経営統合が報道されていますが、
以前も書きましたがこれは是非やるべきです。
もっと言えば、地方の証券取引所も全部一つにまとめてしまうべきです。
全ての証券取引所を一つにまとめて日本証券取引所といった名称にするべきでしょう。
日本に証券取引所は一つで十分なのです。
あとは新興企業向け市場が一つあればそれで十分です。
ただし、やはり1つ指摘しておかなければならない点があります。
それは140ページに書いてある通りのことです。
引用します。
>しかしながら、公的な性格をもつ証券取引所が株式会社化することや、さらに、
>その株式を公開することについてはさまざまな意見がある。
さまざまな意見がある、とぼやかしてますが、はっきり言えば、
証券取引所が株式会社化すること自体がおかしいわけですし、もちろんもっと言えば、その株式が上場するなどもってのほかです。
140ページの脚注にも書かれていますが、
上場審査を行っている取引所が自らの上場を審査するというのはやはりおかしいでしょう。
また、その取引所に上場している企業が取引所の株主になった場合、その企業に何らかの不正があった場合に
上場廃止等の適切な措置を与えることができるのかという極めて重要なコーポレートガバナンス上の議論があります。
さらに、そもそも公的な性格を持って株式の売買の場を提供することが証券取引所の目的なわけですから、
証券取引所が利益を追求していくこと自体がおかしいという考えもあるでしょう。
多くのことを考えていきますと、やはり証券取引所の株式会社化や株式上場は
証券取引所本来の目的から外れることだと思います。
2つ目は、企業が上場している場所についてです。
136ページにこう書いてあります。
>地方の証券取引所に上場している銘柄は東京証券取引所と重複上場しているケースが多く、かつ、
>実際の売買も取引参加者が多く市場に厚みがある東京証券取引所において成立しやすいためである。
>近年、重複上場している企業が上場コストを削減するために地方証券取引所での上場を廃止する事例が増えている
この記述は、1つ目の指摘と若干かぶりますが、結局地方の証券取引所はまとめて一つにすべき理由とも言えるでしょう。
ただ私が今ここで言いたいのは、地方か東京かではなく、日本か海外か、です。
トヨタ、ソニー、パナソニックはじめ、メガバンクなど、日本の一流企業の一部は東京証券取引所だけでなく、
主に米国(ニューヨーク証券取引所)でも上場しています。
しかし、私が思うに、日本企業が米国で上場する必要はあるのでしょうか。
例えば米国市場に上場していないとトヨタは米国で自動車を販売できないとか、米国のトヨタの顧客が離れていくとか、
GMやフォードやクライスラーとの競争で不利になる、といったことは絶対にありません。
米国の消費者はトヨタ車が優秀かどうかを見ています。
(上場していれば株価を見ることはないことはないにしても)少なくともトヨタが米国で上場しているか否かは全く見ていません。
米国の消費者はトヨタ車のデザインや乗り心地や燃費や価格を見ているのです。
米国で上場しているか否かは関係ありません。
また、日本における地方の証券取引所での話と似ているのですが、日本企業株式の米国市場での取引量というのが、
東京証券取引所での取引量に比べて圧倒的に少ないという現実もあります。
東京証券取引所でトヨタやソニーやパナソニックやメガバンクの株式が売買されない日というのは一日もありません。
これらの企業の株式の取引量は日本全体でも常に上位に入るくらい日々大量に売買されています。
しかし、米国市場におけるこれらの企業の株式の取引量というのは、
ゼロとはもちろん言いませんが、東京証券取引所での取引量に比べれば極めて少ないのです。
米国では、トヨタやソニーやパナソニックやメガバンクの株式はあまり売買されていないのです。
米国市場にいる投資家は主に米国人なのですから、日本企業株式があまり売買されないのは当たり前と言えば当たり前
なのかもしれませんが。
東京証券取引所に比べ、米国市場は日本企業株式の取引参加者が少なく市場に厚みがありません。
以上のことを踏まえますと、はっきり言ってしまうと、
グローバル展開を行っている場合でも日本企業が米国市場に上場しているメリットはないのです。
確かに、米国に重複上場しておくことくらい、
トヨタ、ソニー、パナソニック、メガバンク等の規模からして、上場維持費用自体は大したコストではないのかもしれませんが、
しかし、上場コスト云々以前に、そもそも日本企業の米国への上場は意味がないというのが実際のところではないでしょうか。