2011年6月24日(金)



プラダ株、グレーマーケットで下落−香港上場後の株価低迷を示唆か

6月22日(ブルームバーグ):香港市場に今週上場するイタリアの高級ファッションブランド、プラダの株価は
上場前の株式が取引される「グレーマーケット」で下落し、上場後の値下がりの可能性が示唆されている。
先に香港上場を果たした旅行かばんメーカーのサムソナイト・インターナショナルなどの企業と同じく、
プラダも投資家の関心を引くのに苦戦することになりそうだ。
ジェフリーズ・グループが仲介した取引に詳しい関係者2人によれば、プラダの株価は21日の店頭取引で
38.50−39香港ドル(約397−402円)と、最大2.5%下落。同社は香港での新規株式公開(IPO)を1株当たり39.50香港ドルで
実施し、21億4000万米ドル(約1720億円)を市場から集めた。
米IPOXシャスターの創業者、ジョゼフ・シャスター氏は「プラダ株が上場後に下落する公算が大きいということは、
香港IPO市場の全般的な地合いの変化を浮き彫りにしている」と指摘、「当初の好況ぶりはもはや見られない」と付け加えた。
プラダ株は24日に香港証券取引所での取引が始まる予定。香港株の指標であるハンセン指数が5週連続で下げたのを受け、
同社はIPO価格を仮条件レンジの中間点を下回る水準に設定した。サムソナイトの株価は先週の上場初日に7.7%安で終了。
同社は香港IPOの規模を12億5000万米ドルに縮小していた。
プラダのミラノ在勤広報担当者は21日、コメントを控えた。ジェフリーズの香港支店に通常の営業時間外に連絡を試みたが
応答はなく、ロンドン在勤の広報担当者のコメントは今のところ得られていない。
(ブルームバーグ 2011/06/22 14:06 JST)
ttp://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=aXtS1erm885I

 

 

 

 


伊プラダの香港上場、市場低迷で軟調スタートか−外資のIPO減少も

6月23日(ブルームバーグ):イタリアの高級ファッションブランド、プラダが24日、香港市場に上場する。
香港の今年の新規公開株の不振が目立つタイミングでの同社の上場は、外国企業による新規株式公開(IPO)が減速する
前触れとなるかもしれない。
  プラダは先週の21億ドル(約1690億円)のIPOで価格を目標レンジの下限に近い水準に設定しており、
24日の上場後に下落する可能性がある。ブルームバーグの集計データによると、今年の香港の新規公開株31銘柄で
投資家の損失はこれまでに8億7300万ドルに達しているが、プラダ株が下落すれば一段と損失が拡大することになる。
  香港にはプラダやサムソナイト・インターナショナルなど、中国の高経済成長で商機をつかもうとする企業が集まってきたが、
中国のインフレ懸念でハンセン指数は2年半ぶりの低迷にあえいでいる。ブルームバーグ・データによれば、
今年香港で1億ドルを超える規模のIPOを実施して上場した16社のうちIPO価格から上昇しているのは1社だけで、
この割合は10大株式市場の中で最も低い。
  米IPOXシャスター(シカゴ、運用資産約25億ドル)の創業者、ジョゼフ・シャスター氏は
「香港上場を検討している企業はここにきて様子見モードだ」と指摘。「今香港上場を考える企業はどこも、
IPO価格の引き下げが必要になるだろう。このため企業にとって香港市場の魅力は低下する」と分析した。
  ブルームバーグ・データによれば、ハンセン指数採用の46銘柄の平均株価収益率(PER)は11.7倍と、
2009年3月以来の低水準付近にあり、米S&P500種の14.8倍を下回っている。ハンセン指数は17日終了週まで5週連続で下落し、
08年のリーマン・ブラザーズ・ホールディングスの経営破綻以後では最長の下げ局面となっている。
(ブルームバーグ 2011/06/23 16:24 JST)
ttp://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=azAWYPEw6j4A

 

 

 

 

 



新規上場のプラダの初値は39.5香港ドル、公開価格と一致

 [香港 24日 ロイター] この日香港市場に新規上場したイタリアの高級ファッションブランド、
プラダの初値は39.5香港ドルとなり、公開価格と同水準になった。
 プラダは当初、想定レンジを1株当たり36.50―48香港ドルに設定。
その後、レンジを39.50―42.25香港ドルに縮小していた。
(ロイター 2011年 06月 24日 11:44 JST)
ttp://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-21871420110624

 

 

 

 

 

プラダ社今日の値動き

 


Financial Times Markets data より
(キャプチャー1)


雅虎香港 財経(Yahoo! Hong Kong Finance)より
(キャプチャー2)

 

 


【コメント】
一応、新規株式公開にあたり、公募価格は39.5香港ドルとのことです。
それで、付いた初値が同じく39.5香港ドルとのことです。


一応これも、香港証券取引所への新規上場と呼びはするのですが、
プラダ社の場合は香港証券取引所への株式上場に先立ち、いわゆる店頭市場で既に株式を公開していたようです。
こういうのも鞍替えというのか分かりませんが、「株式の市場価格」というのは上場以前から既に存在していた、
という見方になろうかと思います。
そうだとすると、たとえ新規上場とは言え、その「株式の市場価格」と初値とが大きく乖離することはあり得ないということかな、
という気がします。

店頭市場での取引価格も公開された情報に基づく立派な公正価格であり、その点において店頭市場価格と上場株式の株価とは
何ら違いがあるものではありません。
昨日(正確には香港時間6月20日19時?)の店頭市場での最後の取引価格が39.5香港ドルとイコールだったのではないでしょうか。
だからこそ、証券会社も公募価格も39.5香港ドルに設定したし、初値も当然39.5香港ドルだった、ということではないでしょうか。

新規株式上場ではあるが、新規株式公開ではない、ということを理解する必要があります。
株価は連続しているものであり、公募価格と初値とが一致したからと言って何の不思議もないということかと思います。


そもそも主幹事証券会社が設定する公開価格は実は「参考値」の意味合いが非常に強いのです。
この企業の株価はだいたいこのくらいの価格が適切ではないでしょうか、という意味合いで証券会社が設定するものです。
もちろん最終的に株価を決めるのは市場の投資家です。
参考値よりも価値があると思えばもっと高い価格で買いますし、参考値ほどの価値はないと思えばもっと低い価格でしか買いません。
証券会社が設定する公開価格はあくまで「参考値」の意味合いが強いのですが、
プラダ社の場合は店頭市場での取引価格が既にありますから、なおのこと本当の意味で参考値に過ぎないと思います。
参考値に過ぎないどころか、実際の株式取引価格が現にありますから、今回のようなケースで証券会社が設定した公開価格というのは
何の意味もないのではないか、という気がします。

 

 

 



様々な報道を読みますと、新規上場したが株価に変化がなかった(Prada shares flat in Hong Kong trading debut)とか、
せっかく上場したんだからもっと注目されてよかったんじゃないか(Prada fails to catch the eye in Hong Kong)
といった意味の記事が目立ちます。
これは公開価格と初値が同じであったことやその後あまり株価が上昇せずに取引が終わったことを受けてのことでしょう。
ITバブルのIPOブームの時みたいにプラダ社の株価がどんどん値上がりして派手な株価になるかと思ったが
大きな変化がなくがっかりした、みたいな雰囲気の報道が多いようです。
プラダ株式の新規上場といってもぱっとしなかったね、みたいな雰囲気の報道が多い気がします。


しかしこれは先ほども書きましたように、プラダ社の株価というのは以前から既に存在していたのです。
今回のケースは厳密な意味での新規株式公開ではないのです。
新規株式上場ではあるが、新規株式公開ではないのです。
店頭市場では既に株式は公開されており、そこで以前から日々取引は行われており、適切な価格が既に付いていたのです。
そういうこと考えますと、新規上場したからといって株価が大きく上昇しなかったのはむしろ当たり前なのだと思います。
もし今日株価が大きく上昇したら、店頭市場での価格は一体何だったのか、という話になります。


新規株式上場日は確かに今日ですが、プラダ社は店頭市場に株式を公開していましたから、
株価というのは以前から存在しており、本日においてもその株価はずっと連続しているものです。
今日初めてプラダ社の株価が付いたのではありません。
プラダ社の株価は以前からあったのです。

それが今日プラダ社の株価が大きく上昇しなかった理由ですし、
店頭市場での終値=公開価格=初値=39.5香港ドル
であった理由です。