2011年5月10日(火)
米マイクロソフトは、インターネット電話サービスのスカイプを現金85億ドル(6850億円)で買収することで合意に達した。
マイクロソフトのスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)は10日発表された声明で、
「スカイプは世界中の数百万人が愛用する驚異的なサービスだ」と述べ、
「マイクロソフトとスカイプは、人々が、家族、友人、顧客、同僚と、世界のどこにいようとも簡単に話ができる
リアルタイム・コミュニケーションの時代を築いていく」と語った。
スカイプはマイクロソフトの一事業部門となり、スカイプのトニー・ベイツCEOは「マイクロソフト・スカイプ」の社長に就任する。
(ウォール・ストリート・ジャーナル 2011年
5月 10日 21:39 JST)
ttp://jp.wsj.com/IT/node_234202
米ソフトウエア大手マイクロソフトは、インターネット電話サービス大手スカイプを70億ドル(約5620億円)を上回る価格で
買収するため詰めの交渉を行っている。早ければ10日にも正式発表される可能性がある。事情に詳しい関係筋が明かした。
関係筋によると、9日夜も最後の詰めが行われているもようだが、破談になる可能性もあるという。
この件に関し、マイクロソフトもスカイプもコメントを控えるとした。
マイクロソフトの今回の動きは、通信、情報、エンターテインメントの統合が急速に進む市場に対応しようとする
同社の積極的な姿勢を示すものだ。
スカイプは世界の6億6300万人を超える利用者を対象にインターネット経由の通話やテレビ電話サービスを提供しており、
同社の技術はウェブを利用した次世代サービス提供の鍵となっている。同社サービスを介して昨年行われた音声・動画通話は
延べ2070億時間に上る。
個人消費者市場での事業拡大に苦戦しているマイクロソフトは、スカイプの買収によってインターネットサービス会社としての
認知を高めることができる。同社は検索エンジン「Bing(ビング)」のマーケティングと技術向上に多額の投資を行っている。
昨年は検索市場でややシェアを伸ばしたものの、米国で依然圧倒的首位を維持しているのはグーグルだ。
70億ドルを超える価格でスカイプの買収が成立すれば、36年のマイクロソフト史上最大またはそれに近い買収案件となる。
同社はこれまで大規模な買収には消極的だった。
同社のスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)は、インターネット市場への本格参入が不可欠とみている。
マイクロソフトは依然利益の大半をパソコン向け基本ソフト(OS)「Windows(ウィンドウズ)」と
ビジネス生産性向上ソフト「Office(オフィス)」に依存している。だが、アップルやグーグルなどのライバル企業との争いで
利益が圧迫されるなか、投資家は同社が今後もそうしたビジネスに成長を依存し続けることに懸念を高めている。
このほかマイクロソフトは、電子メールやインスタントメッセージ、音声通話機能などを1つに統合した
「Lync(リンク)」アプリケーションも提供しており、スカイプ買収によってこのリンクの強化も可能になる。
一方、スカイプは、期待度の高さのわりに業績はあまり芳しくない。2003年の創業以来8年間ほとんど純利益を出していない。
世界中にビジネスを拡大しており、全体的な利益は依然把握しづらい状況だ。昨年の業績は、売上高は8億6000万ドル、
営業利益は2億6400万ドルとなったものの、700万ドルの純損失を計上している。また昨年末時点の長期債務は
6億8600万ドルとなっている。
同社は昨年8月、新規株式公開(IPO)の申請を行ったが、トニー・ベイツ氏が新CEOに就任した後、計画を保留にしている。
関係筋は当時、IPOで10億ドル近くを調達すると述べていた。
別の関係筋によると、その一方で同社は、グーグルや米ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)大手フェイスブック、
米ネットワーク機器大手シスコシステムズを含む複数の企業と、買収や合弁事業について協議を進めていた。
また買収額として50億〜60億ドルを想定していたという。
マイクロソフトについては、米ブログメディアの「ギガオーエム」が先に、同社がスカイプに関心を示していると報じていた。
(ウォール・ストリート・ジャーナル 2011年 5月 10日 13:36
JST)
ttp://jp.wsj.com/Business-Companies/node_233878
[ニューヨーク 10日 ロイター] 事情に詳しい関係筋は9日、米マイクロソフトがインターネット電話サービスの
スカイプ・テクノロジーズ買収で合意に近づいていると述べた。買収額は債務を含めて85億ドルという。
同筋によると、合意は早ければ米国時間10日午前にも発表される見通し。
スカイプ買収が実現すれば、マイクロソフトにとっての過去最大の買収規模となる。
関係筋によると、スカイプにはゴールドマン・サックスとJPモルガンが助言しているが、
マイクロソフトはアドバイザーを使っていない。
マイクロソフトとスカイプはコメントを拒否した。
スカイプはすでに新規株式公開(IPO)計画の延期を決め、最近は他の選択肢を検討していた。
これより前に、複数の関係筋はロイターに対し、フェイスブックとグーグルGOOGがそれぞれスカイプとの提携を検討している
と語っていた。グーグルはスカイプと合弁会社設立に向けた協議を行っていたという。ある関係筋は当時、
スカイプの評価額は30億─40億ドルの可能性があるとしていた。今回伝えられているマイクロソフトの評価額はこれを上回る。
スカイプは2003年設立。05年に米電子商取引大手イーベイEBAYが31億ドルで買収した。
イーベイは09年、スカイプの過半数株式をカナダの年金基金シルバーレイクなど投資家グループに売却し、
現金19億ドルと額面1億2500万ドルの手形を受け取った。イーベイは現在、スカイプ株の3分の1を保有している。
米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は9日、関係筋の話として、マイクロソフトによるスカイプ買収で
合意が近いと報じていた。
(ロイター 2011年
05月 10日 14:18
JST)
ttp://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-21002520110510
May 10, 2011
Microsoft
Microsoft to
Acquire Skype
Combined companies will benefit consumers, businesses and
increase market
opportunity.
ttp://www.microsoft.com/Presspass/press/2011/may11/05-10CorpNewsPR.mspx
>Microsoft Corp. (Nasdaq: “MSFT”) and Skype Global S.a r.l today
announced that they have entered into
>a definitive agreement under which
Microsoft will acquire Skype, the leading Internet communications
company,
>for $8.5 billion in cash from the investor group led by Silver
Lake.
>The agreement has been approved by the boards of directors of both
Microsoft and Skype.
どうなのでしょうか、めったなことは言えませんが、ひょっとすると実はスカイプは現在債務超過なのではないでしょうか。
マイクロソフト傘下に入ってどれほど売上や利益の向上が望めるか分かりませんが、現在帳簿上の株主価値はゼロかもしれません。
債務超過であろうとなかろうと、今までのそして将来のキャッシュフローを考えますと、買収価格が高過ぎるのは間違いないでしょう。
新しいサービス名は「Microsoft Skype Network」、これを縮めて「MS
Skynet」と呼ぶそうです。
「マイクロソフト・スカイネット」・・・。そういえば共同記者会見の会場はカリフォルニア州だったっけ。
マイクロソフトは現スカイプ株主に対しボランティアでもするつもりなのでしょうか。
スティーブは気でも狂ったのでしょうか。
この買収は両社の取締役会で既に正式に決議されたものだそうです。
マイクロソフトの株主よ、怒りたまえ。
ちょっとこれからスカイプでスティーブに電話します。
共同記者会見が日本時間の今日の深夜行われるようですので、それを踏まえてまた明日コメントします。
日本では深夜ですので記者会見をリアルタイムで視聴することはしませんが、今日の夜は寝付けないかもしれません。
スカイプについて調べていたら、出所が確かな信用の置ける次のような情報を得ました。
>Microsoft paid $190 per subscriber for Skype.
>80% of the Skype
subscribers are not active.
深く考えずに直訳すると、
マイクロソフトはスカイプユーザー一人につき190ドル支払った。
スカイプユーザーの80パーセントは現在スカイプを利用していない。
となります。
後半は意味は分かりますね。
フェイスブックと同じ様に、スカイプにユーザー登録している人は大勢いるが、
その中で実際にスカイプを現在利用しているのは登録者全体の20%だけだ、という意味ですね。
しかし前半の意味はこの訳だと分かりません。
マイクロソフトがスカイプを買収するとは言っても、マイクロソフトがスカイプユーザーにお金を支払うわけありません。
マイクロソフトがお金を支払うのはスカイプの株主に対してです。
と思って「subscriber」を英和辞書でひきますと「株式引受人」とあります。
subscribe
には「株式に応募する」とか「株式を予約する」という意味があります。
subscription で「出資金」という意味になります。
日本における正式な会計用語とは少しだけ文言が異なりますが、英文会計の辞書に載っているまま書きますと、
subscribed stock =
stock subscribed で「引受済資本金」。
subscription
の意味は、@証券の引受け、A雑誌などの購読料、B寄付の約束、とあります。ここでは@の意味ですね。
subscription right = stock
right で、「新株引受権(=新株予約権)」。
というわけで、ここでの「subscriber」は「株式引受人」という訳で正しそうです。
「subscriber for
Skype」でおそらく「スカイプ株主」という訳になると思います。
「per subscriber for
Skype」となりますと、スカイプ株主一人につき、といった意味ですが、
株式を何株保有しているかは株主によって異なりますので、ここでは「スカイプ株式1株につき」が正しいのではないでしょうか。
以上をまとめますと、「Microsoft
paid $190 per subscriber for
Skype」の訳は、
「マイクロソフトはスカイプ株式1株につき190ドル支払った」となります。
上記英文2文を新聞の見出しっぽく訳しますと、次のようになるかと思います。
マイクロソフト、1株190ドルでスカイプを買収
スカイプユーザーの80パーセントは現在スカイプを利用していないのに
日本における同じネット業界のニュースを紹介します。↓
マイクロソフトがあせる理由がよく分かります。
楽天、グーグルの検索エンジン採用
楽天は10日、運営するポータル(玄関)サイトなどの検索エンジンに米グーグル製を採用することで同社と合意したと発表した。
従来は米ヤフー製を利用していた。楽天は日本のヤフーがグーグルの技術を採用すると決めた2010年、
「独占禁止法上の問題がある」として公正取引委員会に調査を求めていた。
10日付でグーグル製に切り替え、同時に検索連動型広告も同社製を採用した。楽天は検索の速度や精度を採用理由に挙げ、
「現時点でより良質な技術を採用し、利便性を高めるため。公取委への申し立てとは矛盾しない」と説明。
公取委は昨年12月、日本のヤフーとグーグルの提携について「現時点で独禁法上の問題はない」と調査報告を発表。
この問題については「引き続き注視していかなければならない」(楽天)としている。
楽天は00年に買収した検索大手インフォシークを通じ独自のエンジンを使っていたが、04年に米グーグル製に切り替え、
08年からは米ヤフーのエンジンを利用していた。
(日本経済新聞 2011/5/10
22:47)
ttp://www.nikkei.com/tech/news/article/g=96958A9C93819696E3E2E29D968DE3E2E2E7E0E2E3E38698E0E2E2E2