2011年4月5日(火)



GE's Immelt Defends Nuclear Industry
(WallStreetJournal APRIL 4, 2011, 7:52 A.M. ET.)
ttp://online.wsj.com/article/SB10001424052748703712504576241991758162136.html


(キャプチャー)

(日本語訳)
(ウォール・ストリート・ジャーナル 2011年 4月 5日  7:19 JST)
ttp://jp.wsj.com/Business-Companies/node_216229

 

 

 

 


【コメント】
記事の内容に触れる気は全くありません。
純粋に英語の勉強ということで紹介します。

 

 

ジェフ・イメルト氏の発言を引用し、ポイントとなる単語や熟語や文法について私なりの解説文を書きます。

 



"This is an industry that's had an extremely safe track record for more then 40 years,"
「原子力産業は過去40年間以上にわたって極めて安全だということを示してきた」

(参謀直訳)これは40年以上極めて安全な実績を持っている産業である。

*trackは主に、通った跡、足跡、わだち、小道、道、鉄道路線、軌道、進路、プラットフォーム、競技場のトラック、
人生の行路、処世の道、レコードの溝、磁気テープのトラック、といった意味があります。
マイナーな意味としは、ダンスホール、麻薬注射跡、キャタピラー、無限軌道、といった意味もあります。
「track record」で業績や実績という意味になります。
ちなみに、貨物自動車のトラックは「truck」です。

 

 

 

 

"With a partnership with Hitachi, and working with Tepco, we will offer great support,"
「日立と提携し、東京電力と協力しながら、大きな支援をしていくつもりだ」

(特に解説なし)

 

 


"I think this will be a big team effort to work on Fukushima."
「福島原発での作業については、一丸となって努力していく」

(参謀の自信のない意訳)福島での共同作業は大きな成果を上げるものと信じています。

*模範訳とは異なる訳を考えてみました。模範訳の方がやはり正しいとは思いますが。
ここでは敢えて、a big team effort の effort を努力や試みや取り組みとは訳しませんでした。
effort は形容詞や他の名詞が付いた複合語になりますと、
努力の成果、(芸術上の)作品、業績、という意味になります。
複合語になると、努力そのものというより、努力の結果や努力の成果物といった意味になります。
a great literary effort で「偉大な文学作品」となります。
これは作品を書く努力そのものとは意味が違います。努力して書いた結果の方を意味します。
このことを踏まえますと、ここでの a big team effort は、
「皆で協力して作業を行う努力そのもの」を意味するのではなく、
「皆で協力して作業を行った結果」を意味するのではないか、と思いました。
ここでの発言は「福島での共同作業はきっと成功するでしょう」といった意味ではないかと思いました。

 

 

 


"the work that we are doing now is meant to fulfill such a responsibility."
「われわれが現在行っている作業は、こうした責任を遂行するものだ」

(特に解説なし)

 

 

 


"We already have gas turbines on the boat that [we] are shipping to Japan,"
「われわれは既に日本に輸送するガスタービン発電機を船に積み込んだ」

 

* [we] があるかないか、そして、be動詞が are で正しいのか否かで文意が3通り考えられます。
つまり、shipping の主語は何か、そして、shipping の目的語はあるのかないのかで3通りに文が解釈できます。

まず単純に[we] があると考える場合は模範訳のようになります。この場合の shipping は他動詞です。
「〜を船で運ぶ」、「〜を船積みする」という意味です。
shipping の目的語は「gas turbines」です。the boat ではありません。主語は we です。
分かりやすい語順は、

We already have gas turbines that we are shipping to Japan on the boat.

となります。



 


一方、[we] がない場合は shipping は自動詞になります。
目的語は取らず、単に、船に乗る、出発する、水夫になる、乗り組む、という意味になります。
ここで、shipping の主語は gas turbines なのか the boat なのかで解釈が分かれます。
まず、主語を gas turbines だと考えますと、分かりやすい語順は、

We already have gas turbines that are shipping to Japan on the boat.

となります。意味は、
「われわれは既に日本へ出発するガスタービン発電機を船に積み込んだ」
となります。

次に、主語を the boat だと考えることもできます。
ただし、the boat は単数形なので、be動詞は are ではなく単数形の is になります。
分かりやすい語順は、

We already have gas turbines on the boat that is shipping to Japan.

となります。意味は、
「われわれは既にガスタービン発電機を日本に出発する船に積み込んだ」
となります。

 

 



発言内容ではありませんが、紛らわしい文がありました。

 


GE and Hitachi formed a nuclear-power business alliance in 2007 by creating a joint venture
in Japan and another in the U.S.
「GEと日立は2007年に原発事業提携を結び、日本と米国で合弁事業を立ち上げている。」

 


日本語訳は模範訳でよいと思うのですが、 another が何を指すのかで解釈が分かれるかもしれません。
another は「もうひとつ別の同じ種類の物」といった意味合いです。
another が指すものとして

a nuclear-power business alliance

とも考えられますし、

a joint venture

とも考えられます。

 

 


前者だとすると、文は、敢えて全部書くと、

GE and Hitachi formed a nuclear-power business alliance in 2007 by creating a joint venturein Japan
and GE and Hitachi formed a nuclear-power business alliance in the U.S.

となります。意味は、
「GEと日立は2007年に原発事業提携を結び日本で合弁事業を立ち上げた。
そして米国でも原発事業提携を結んだ。」

となります。2007年に原発事業提携を結び合弁事業を立ち上げたのは日本においてですが、
米国で結んだ原発事業提携に関しては、2007年とも限らないし、合弁事業を立ち上げたとも限らない、
という解釈がありえるような気がします。
この場合、原発事業提携を計2回結んだのです。1回目は日本で、そして2回目は米国で、です。
まず2007年に日本で合弁事業を立ち上げる原発事業提携を結んだ、そして、
時期や内容はともかく、GEと日立は米国でも原発事業提携を結んだ、と解釈できると思います。

 

一方、後者だとすると、文は、敢えて全部書くと、

GE and Hitachi formed a nuclear-power business alliance in 2007 by creating a joint venture in Japan
and GE and Hitachi formed a nuclear-power business alliance in 2007 by creating a joint venture in the U.S.

となります。意味は、
「GEと日立は2007年に原発事業提携を結び日本で合弁事業を立ち上げた。
そしてGEと日立は2007年に原発事業提携を結び米国でも合弁事業を立ち上げた。」

となります。
模範訳はこの解釈だと思います。another は a joint venture だと考えると、説明的な意味は
GEと日立は2007年に原発事業提携を結んだ、そしてその内容は、日本と米国において合弁事業を立ち上げることだった、
となります。

 

 



ただ、another が指すものが

a nuclear-power business alliance

と考える場合でも、a nuclear-power business alliance の時期や内容までも日本での場合と同じであるとも考えられます。
むしろそちらの方が解釈としては自然ではあります。
ですから、結局のところ、another が指すものは、
a nuclear-power business alliance と考えようが、
a joint venture と考えようが
ほとんど同じ意味に解釈できると思います。

 

おそらく、この原文を書いた人は、another は a joint venture のつもりで書いたのでしょう。
そう解釈するのが一番自然ですね。
GEと日立が原発事業提携を結んだのは2007年に1度だけでしょう。
そしてその原発事業提携の結果、日本と米国において合弁事業を立ち上げた、
となります。
日本にも合弁事業(企業;株式会社等)があります。
そして米国にもは合弁事業(企業;株式会社等)があります。
a joint venture は日本と米国に合計2つあります。

結局、模範訳で正しいので何の問題もないわけですが。よけいなことを書いてしまったかもしれません。

 

結論を言えば、another が指すものは a joint venture です。
ただ、敢えて異なる解釈をしようとする場合、another を a nuclear-power business alliance と考えると、
上で書きましたような解釈も可能かもしれないな、と思い書きました。

長くなってしまった上にただの蛇足だったかもしれませんが、今日はこの辺で終わります。